シドニーでは猫にも英語で

Chizuko COLUMN 話英楽の道 ~わえらのみち~

Raffle。オーストラリアのホームステイ先で飼っていた猫の名前です。日本の猫たちは、日本語を理解していますか?彼女Raffleは、おそらく日本語は理解していませんでした。そして、私の発音の悪い英語も理解していない風でした。

 彼女の名前、Raffle。このRの音が苦手な人多いのではないでしょうか。かくいう私も当時は、Rが上手く発音出来ずに苦戦中。そんな私を試すように、名前を呼んでRの発音が出来ていると反応してくれるけれど、出来ていないと反応してくれない。と当時の私には見えていました。

 私と彼女の2人(1人と一匹)で留守番していた時のこと。ドアのチャイムが鳴りました。チェーンを掛けたまま少しドアを開けると、お兄さんが何か言っています。以前も書きましたが、想定外の状況の想定外の会話を聞きとることは難しかった!で、全く分からず。そこに通りかかったお隣のおじさまが助け船を出してくれました。「お金の話をしているんだよ」って。つまり、募金を集めて回っていた様です。そうやって、今目の前で起こっていることに必死で対応しているときに、Raffleったら!足元をすり抜けて出て行こうとするんですよ。で思わず。「あかんよ~。どこ行くんよ~。ちょっと待ってって。こら、あかんって!」と日本語で言うのですが聞いてくれず。そこで、「あ!英語で言えばいいのか?」と気づいた私。「No! Don’t go, Raffle. Stay home.ダメよ。行ったらダメ、ラッフル。家に居て。」と言いました。そうすると、どうでしょう。彼女は戻ってきたんです。

 猫の気持ちは分かりませんから、気まぐれで戻っただけかも。本当のことはわかりません。でも、その時の私には、「私の英語、Raffleにちゃんと通じたわ」と思えたのでした。同じようなことが何度かあって、「Raffleは私よりも英語できるやん。ちぇっ。」って思っていました。という訳で、英会話がそんなに出来ない私は、なかなかRaffleと仲良くなれず。それが悲しいなあと思っていたことを覚えています。

 そして、帰国後。ホストマザーのリーランがくれた手紙には、「Raffleはあなたが帰国してから毎晩私のベッドじゃなくてあなたのベッドで寝てるわ。恋しいのね。」と書いてありました。一緒に居る間はつれない態度だったのに。あまのじゃくなRaffle。なんか、私と似てい

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