通じなかった二つの理由
さて、前回ご紹介した「think」と「sing」を聞き間違いされたという私のショックな出来事。今回の珍道中その原因についてお話しましょう。
まずは「th」の発音が悪かった、ということです。私たち日本人にとって難しい発音ですよね、th。そして、このthの音をsの音と似ている、という風に思いがちです。「音が似てるんやし、通じるわ」って思いませんか?これ、実は大きな落とし穴です。私はここにハマったんです!彼らにとっては、「th」と「s」は全く違う音なのです。私と話していた外国人講師は、「ああ、thの発音下手やなあ、違うなあ」とは思わずに「sから始まる言葉だな」と判断したんです。
二つ目の原因は、「think」を会話で使う際に、最後の「k」の音ははっきりと発音しないことがある、ということ。最後の音は「think」の「k」なのか、「sing」の「g」なのか、聞きとることは難しいのです。
つまり、最初のthかsかというところが伝わらないと、挽回の機会はないっていうことなんです。「think」と言ったつもりが、「初めの音は微妙な音だなあ、でもthじゃないし、sっぽいな。で、その後はinが続くのか。最後の音はハッキリ発音しないから分かんないな。OKじゃあsingだな」という感じ。私が会話していた人は、こういうことを瞬時に頭で考えて、私の英語をsingだと判断したのでしょう。
英会話を指導させてもらって、海外に渡航した生徒さまからも、同じような話を聞いたことがあります。thの発音がうまく出来ずに、sと間違われて通じなかった、と。「『fifth(5番目)』って言ってるのに、『first(一番目)』だと思われたんよ。」って。これも同じ。何故この二つが勘違いされてしまうのか分かりますか?
恐らく外国の方の頭にはこんな声が流れていたのだろうと思います。「fから始まること言ってるなあ。何を言ってるんだろう。最後の音はthじゃないなあ、sっぽいかな。じゃあ、fから始まって、sの音があるといえば、firstか!」。どうでしょうか?「フィフス」とカタカナ発音で言っても、綺麗な発音で「fifth」と言っても一緒!通じる!という訳ではないんですね。
私が綺麗な発音を習得したい!と思ったのは、「カッコイイ英語」を話したかったからです。でも、この時「ああ、発音のポイントは知っておかないと通じないこともあるんだな」と初めて実感したのでした。
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