「感覚」の違いが伝わらない・・・

Chizuko COLUMN 話英楽の道 ~わえらのみち~

英会話スクールでの営業に従事して2年ほど経った頃、教室のマネージャーを任されることになりました。マネージャーになると、講師たちとの会議に参加したり、講師の勤務態度や服装を評価してから面談をする、という仕事が増えました。学生の頃に自分がもらっていた通知表の様な形式で五段階評価をするのですが、面談の際、私がどのような評価を何故したのか、説明をしなければなりませんでした。別に説明すること、という規定があった訳ではないのですが、大抵の外国人講師たちは直接評価をつけた私に納得いくまで質問してくるのが普通でした。

ある時私は、1人のアメリカ人講師の服装に「4」の評価をつけました。面談で私はその講師に「どうして5の評価ではないの?」と質問されたのです。確かに彼は毎日規定通り、シャツとネクタイを着用していました。が、そのネクタイがスパイダーマンの柄だったり、トトロの柄だったりしたので、4をつけたのです。彼は私に「cartoon characters are good, right? アニメのキャラクターいいでしょ?」と聞き、私は「no. だめ。」と答えました。そして「why?なんで?」と聞くのです。私は「普通だめでしょ」と思ったのですが、それは彼の質問には答えていないな、と思いました。

もちろん個人差はあります。その手のネクタイをしていたのは後にも先にも彼だけでしたから。でもそれが何故ダメなのかを説明することはとても難しかったのを覚えています。規定では「キャラクターの柄はダメ」と明確に書いている訳ではありません。しかし、どの世代の生徒様にとっても気にならないような服装をする必要がありました。あくまでも主役は生徒様で、講師ではないという考えでしたから。職場で個性を出して、自己主張をするのは服装ではない、ということを伝えるのに四苦八苦したのです。結局一時間ほど色々な話を彼として、最後には納得してくれたので、良かったのですが。

言葉を習得するのと同時に、多くの海外の人と知り合い、コミュニケーションを取ることでその違いを実感することが大切なのだなあ、と知ったのです。私の「当たり前」が誰かの「当たり前じゃない」ことがこんなにも多いのか!と感じる毎日を過ごしていたのでした。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧